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Food diary from Manchester, Great Britain
スパイスドトマトスープ - スパイスの思い出
-spiced tomato soup-

スパイスドトマトスープ - スパイスの思い出_b0088058_6303517.jpg

材料(作り易い分量):トマト中6個、玉ねぎ1、人参半本、赤のパプリカ1個。使ったスパイスコリアンダーシードひとつまみ、クローブ3個、ベイリーフ1枚。
作り方:スパイス以外の材料を適当切り(トマトは半分、玉ねぎ回し切り、人参とパプリカは短冊)、オリーブオイルと塩をふってから200度以下のオーブンで30分ほどローストする。(時間がゆるすのであれば、低い温度で長くローストするのが理想)スパイスを500ccぐらいの水に浸してからそれを弱火にかけて、香りの付いたお湯を作る。ローストした野菜をミキサーなどにかける。裏ごしして鍋入れて、火にかける。香りのお湯でのばしながら静かに煮込む。塩で味を整える。オプション→カイエンペッパーで辛みを付ける。ちなみに、作った直後は食べずに翌日になってからもう一度火を通して頂いた方が美味しい。



スパイスの思い出

スパイスやハーブを使う料理を作っているといつも思い出す一場面が私にはある。それは、私がまだ高校生で、お洒落なライフスタイルなどに興味を持ち始める頃である。ファッション雑誌で見つけた、カレールーを使わず、自分でスパイスを組み合わせて作る、ヘルシーでお洒落なカレーなるものに引かれ、料理のテクニックもスパイスの知識もないのに挑戦してみたくなった。

当時は、まだ地方都市の実家住まい、スパイスは自宅どころか、食料品店でもあまり多くの種類は売られていなかった。スーパーやデパートなどの何件か巡り、その雑誌に載っていたレシピに使われているスパイスを揃えるなど、やたら長い前置きを経て、いよいよクッキング開始。レシピ通りに大さじ1、小さじ1とスパイスを組み合わせ、カレーは出来上がった。

さあ、味見。ところがどうだろう、とんでもない味である。とってもじゃないが食べられたものではない。今なら、どのスパイスをどのくらい使うとかだいたいの知識があるので、加減が出来るが、その頃はそんなものはないので、ひたすらレシピに従ったにも関わらず、どこかで小さじと大さじを間違えた。コリアンダーシードが異常に入った喉の裏がキーンとなるような味になってしまった。

その日は、「私が夕飯を作るから」と張り切っていただけに、撃沈。しょんぼりしていると、父がそのどうにもこうにも食べられたもんじゃないカレーをどうにかアレンジして食べられるように、あれやこれや手を加え、食卓へ並べてくれた。しかし、すでに強烈な味になっているので、多少手を加えたくらいでは味は変えようもなく、父の努力虚しく、そのカレーは不味いままだった。それでも、父は「スパイスってもんはなかなか面白い味がするもんだな」とか何とか言って食べている。普段、市販のものなど、口にあわなかったりすると一切箸が進まなくなる父だけに、無理をしているのは丸見えだった。日頃、感情を表に出さない父親だけに、その状景が強く印象に残っている。思いがけず、父の優しさに触れ、さらにその非常な不味さも手伝って、この出来事は忘れられないスパイスの思い出になっている。以来、コリアンダーシードを使うと反射的にあのカレーが甦る。そして、思うのは、一生懸命トライして失敗したら、その失敗を責めるのではなく、その一生懸命を讃えることが大事である、と。しかし、心に余裕がないとこれが意外と難しいのである。

今日から、本文のスタイルを変えました。料理写真に続いて簡単なレシピまたは説明。その後に、その料理から連想された短いストーリーを載せています。料理にまつわるエピソードの引き出しはある方だと思っているのですが、続くかしら…。そして、お粗末な文章も書いていくうちに少しはマシになるかしら…。
by deliciousspace | 2009-09-03 07:18 | 汁物系
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by deliciousspace
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